(パリ=飛田正夫/パリ時間mardi 29 janvier 2019 09:18:05)この1月17日にアンテナA2のルポルタージュ人気番組「コンプレモン・アンケート」で放映されたもの。仏ルノー自動車のカルロス・ゴーンはマクロン仏大統領が大きく介入していることがあると見られていて、ゴーンの影響が波及することを危険視していると見られます。ゴーンの犯罪が明らかになってきている中で、遅ればせながらゴーンを切ったというのが実情のようです。非常に長いアンケートですが多くの点でフランス人の体制メディアによって誤解されてきていることを、明快に覆していると思います。4つ5つほど気が付いたことを書いておきますと。一つはルノーは日産・三菱よりもはるかに小さく弱小だということをこのアンケートでは指摘しています。二つはマクロンとゴーンとの関係が思ったより深いものがあるということです。それとゴーンはルノーの単なる社員であって株主でも創業者でもなく日産との提携役としてそこで権力を持ち資本を自分の利益を増やすのに悪事したと見られていることです。給料を一般の労働者の750倍を自分で決めて、これは株主総会の評決で反対されたのを破棄して自分のお抱えの役員会で合意させているなど、非常に金銭エゴの強い人のようです。この中で特にフランス側でのゴーンへの疑惑が一般に強まったのに、リベラションがスクープしたゴーンの造ったオランダの日産の会社に架空の住所だけがあり中味が存在しない会社に資金が隠されていた暴露記事の事が強調されています。経済相がしばしば顔を出しますが、これはマクロンの立ち場と同じだとおもいます。フランスの国民には真実のルノーのことを隠していることが、ルポルターの発言からわかるわけです。仏政府が喧伝しているほど、日産に比べ、ルノーは力もなく大きくはないことが語られています。そして日本側もフランス側も求めると思われる提携が、実は決裂する可能性も捨てきれないということす。こういうことをフランス人向けに作ったであろうルポルタージュは語っています。配信したアンテナ2というのは国営テレビで非常に体制的な所です。しかしこのルポをゴーンとの政府の手きり宣言として見ると非常に納得がいくわけです。しかしゴーンはアレクサンドル・ベナラと同じようにマクロンとの深い関係を盾にして利用し続け食い下がる可能性は大いにあるわけです。少し危険な話しかと思いますが、こうなるとゴーンが獄中で自殺するか、何処かに消えてしまいそうなオプションも考えられようになっているような気配を感じさせるルポでした。
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